今年の夏、東京23区では命を奪う“災害級の暑さ”による熱中症の被害が深刻化しています。
東京都監察医務院の報告によれば、6月20日から7月27日の間に73人が熱中症の疑いで亡くなりました。
驚くことに、そのうち9割近くが屋内で発見されたとのことです。
特に注意すべきは、エアコンの落とし穴です。東京・東村山市ではエアコンを設置していたのにつけていなかった39人も含まれています。
その結果、ベッドに倒れていた高齢の男女2人が亡くなりました。近所の人たちによれば、窓を少しだけ開けていたということで、室内の暑さが拡大したようです。
さらに、隣町でも高齢の夫婦が熱中症で亡くなりました。
妻は夫の体調を心配し、リビングや寝室にエアコンをつけるようにしていたとのこと。しかし、見つかった寝室ではエアコンが止まっており、扇風機だけが動いていました。
夫が風の冷たさを嫌がり、エアコンを移動させたことが原因の可能性も考えられます。
暑さの被害は若年層にも及んでいます。
山形・米沢市では、部活帰りの女子中学生が歩道で倒れて亡くなるという悲劇が起きました。
米沢市の中学校は熱中症の危険度を示す『暑さ指数』の計測器を備えていたにもかかわらず、ガイドラインの周知徹底不足が災いしました。
このような状況を受けて、私たちは暑さ対策を真剣に考える必要があります。
特に屋内ではエアコンの適切な利用が重要であり、扇風機だけでは十分な保冷が難しいことが示唆されています。
また、若年層においても適切なガイドラインの周知が必要です。
夏の暑さは命にかかわる重大な問題です。
私たち一人ひとりが気を付け、適切な対策を講じることで、熱中症の被害を最小限に食い止めることができるでしょう。