近年、CDやDVDのレンタル店の閉店が相次いでいることは、音楽や動画配信サービスの普及によるものであると言われています。
一般社団法人 日本映像ソフト協会の「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査2022」によれば、映像ソフト市場におけるレンタル市場の割合は、2007年から右肩下がりで、2022年には572億円にまで下がったとのこと。
約15年間で驚異的な84%の減少という数値に、多くの業界関係者が青ざめています。
トップカルチャーなどのフランチャイズ加盟会社も、2023年10月までにレンタル事業からの撤退を表明。
その影響で、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(TSUTAYA)も閉店ラッシュに陥っています。
この閉店ラッシュは、現在進行中であり、それがまさに“レンタル時代の終焉”を物語っているのかもしれません。
一部の消費者は、依然としてレンタル店を愛用していますが、コロナ禍による巣ごもり需要が追い風となり、ますます多くの人々が音楽や映画の楽しみをオンラインの動画配信サービスで満たすようになりました。
インターネットの普及と高速化が進んだことで、サブスクリプション(定額制)サービスが広がり、CDやDVDのレンタルよりも手軽で便利だという利点が浮き彫りになりました。
かつては「試聴コーナー」でCDを聴いて感動し、思い出深いレンタル店でしたが、それらの店舗が次々と姿を消し、懐かしさと寂しさを感じる声も多く聞かれます。
一方、CDやDVDを再生するプレーヤーを持っていない人が増えており、一度借りてきたCDの楽曲をパソコンに取り込む光景にも疑問符が付きます。
一部の愛好家は、レンタル店での出会いや新たな体験を楽しんでおり、「ランキングやおすすめの棚」を通じてネット検索やニュースでは出会えないような作品に出会うことができるという喜びを語っています。
ただ、これらの声にもかかわらず、レンタル店の減少は避けられませんでした。
一方、メーカーに勤務する40代女性は、学生時代に家の近くにレンタル店があったことから映画好きになったと振り返ります。
現在、彼女はTSUTAYAを「書店」として利用し、子供向けの作品はレンタルを選んでいます。
その理由は、子供がサブスクリプションで動画を見続けることを防ぐために、「この日までに返さなきゃいけないんだよ」という区切りを設けるためです。
「レンタル愛好家」はいるものの、レンタル店が減っていく流れには歯止めがかかっていないようです。
これからも“レンタルCD・DVD”はますます衰退し、やがては死語となるのでしょうか。
時代の変化に挑戦し続ける音楽や映像の未来はどうなるのでしょうか。
今後の動向に注目です。