中古車販売大手・ビッグモーターによる保険金の不正請求問題が連日、衝撃の実態が明らかにされていますが、さらなる新たな疑惑が浮上していることが判明しました。
会社側が未だに公の場での説明を避け、問題の収束が見えない中、日本テレビのバンキシャ!が元社員と現役社員への取材を実施しました。
車検や事故車に関する不正行為があったと証言され、事態は深刻化しているようです。
◇ ビッグモーターの営業部隊が「いびつな企業風土」に翻弄される中で
バンキシャ!が取材したビッグモーターの現役社員は、LINEのメッセージを公開しています。
これは本部から店長クラスの社員に送られたもので、内容は「お客様の為にもこんな所で後退する訳には行きませんよ、さあ、今こそ営業部隊が先頭に立って会社を盛り立てよう!」というものでした。
現役社員は「腹が立つというよりは、あきれますよね。いまだに営業でもり立てられると思っちゃってるところが」と語り、会社側の透明性に疑念を抱いている様子がうかがえます。
さらに、ビッグモーターの社内では経営計画書の回収という動きもあったと言われています。
「経営計画書」とは毎年社員に配布される冊子で、会社の方針が記されているものです。
その中には幹部に与えられる「目標達成に必要な部下の生殺与奪権」の記述があり、これに対して社員たちからは疑念の声が上がっています。
報道された結果、ビッグモーターは回収を指示したと言われています。
一方で、ビッグモーターの元社員たちの証言によれば、厳しすぎるノルマによる背景として「いびつな企業風土」が存在していたと指摘されています。
特に店舗で行われる「環境整備点検」では、挨拶や整理整頓が不備だった場合に点検が終了とされることがあったということです。
これにより、風土に適応しない社員は降格の対象となるなど、不自然な評価が行われていたとの指摘があります。
◇ 保険金不正請求に加えて、車検・事故車にも不正行為があった疑惑
保険金の不正請求に加えて、ビッグモーターが車検・事故車に関する不正行為を行っていたという証言が明らかになりました。
修理部門で働いていたとされる元社員によれば、保険金を水増し請求するためには車にわざと傷をつける必要があり、チョークを使って線傷をつけたり、カッターで実際に傷をつけたりしていたとのことです。
さらに、関東地方で営業職をしていた元社員も「事故を起こした疑いのある車が売られていた」と証言しています。
エンジンルーム内のフレームが破損していたにもかかわらず、担当者はそのことを客に伝えずに納車していたとのことです。
ビッグモーターのホームページには「全車事故歴無し」の表示があるが、実際には事故歴のある車も売られていたということです。
これらの証言により、ビッグモーターに対する信頼性がさらに揺らいでいることが分かります。
ビッグモーターは依然として公の場での説明を避けており、問題が解決に向かう兆しは見えていません。
国土交通省によるヒアリングが予定されており、事態の深刻さが改めて浮き彫りにされる可能性があることから、今後の展開が注目されています。