中古車販売大手のビッグモーター(東京)が自動車保険の保険金不正請求問題により深刻な危機に直面しています。
元社員たちの証言により、この問題は底なしの沼に追い込まれており、同社は何らかの解決策を見つける必要があります。
特別調査委員会の報告書は、不正の背景に「過大な営業ノルマ」があり、「利益至上主義のぶらっき企業」だと元社員が証言しています。
保険金不正問題は5年以上前から行われていた可能性があり、これによって同社の信頼は失墜しています。
加えて、わざと車体を傷つける悪質な不正行為が明らかになり、監督官庁も動き出しています。
国土交通省はビッグモーター側からの聞き取り調査を行い、不正な車検が行われた場合には処分が行われる可能性もあります。
金融庁も同社の保険代理店としての業務実態を調査しており、問題があれば保険業法に基づいて対応する予定です。
損害保険会社も水増し請求分の損害賠償請求を要求することが考えられます。
ビッグモーターは1976年に山口県岩国市で創業し、80年に現在の社名に変更し、以来300近い店舗を展開してきました。
その売上高は5年で3倍に急拡大しており、中古車の買い取り台数では日本一の実績を誇っています。
しかし、保険金不正問題により、同社のイメージは大きく傷ついています。修理部門も影響を受け、事故による修理が損害保険の適用対象外となれば、さらなる収益源を失うことになります。
さらに、民間車検場の指定が取り消されれば、サービス部門の売り上げも立ち行かなくなるでしょう。
同社は社長の報酬返上などの処分を発表していますが、株主の信頼を取り戻すためには積極的な対応が求められます。
報道陣の取材に応じずに透明性を欠いた対応は、逆効果となっていると指摘されています。
ビッグモーターの今後の展望については不透明な面が多いですが、M&A界隈では早くも同社の全国店舗網に関心を寄せる動きがあるとの報道もあります。
このままではビッグモーターの存続が危ぶまれる状況ですが、一方で問題を乗り越えた企業は再び信頼を築くことができることもあります。
同社がどのような戦略でこれから稼いでいくのか、その行く末に対して世間の注目が集まっています。