ボクシングファンを熱狂させる大一番が控えている。
WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチで、日本の井上尚弥選手と米国のスティーブン・フルトンが対戦する予定だ。
しかし、その前にフルトン陣営から井上に対する意外な指摘が飛び出し、世界中で話題となっている。
騒動の発端は、神奈川県・横浜市内で行われた公式会見での出来事だった。
フルトンのチーフトレーナーであるワヒード・ラヒーム氏が、井上のバンデージの巻き方に対して疑問を呈し、「ファイターの安全はどこにあるのか? この問題が解決されないなら、私はフルトンをリングには上げない」と言い放ったのだ。
井上はこの指摘に対して苦笑いで応じ、「自分は24戦やって、全試合で正々堂々と試合をしている」と反論。
さらに自身のツイッターで、「25日は日本開催だからもちろん日本のルールに従ってやるつもり。そこについてはぐだぐだ言わさんよ」と自分の巻き方がルールに従っていることを主張した。
この一連の騒動について、フルトン陣営の意見を超えて、ボクシング界のレジェンドであるジェイコブ・デュラン氏も登場して持論を展開した。
デュラン氏はかつてビタリとウラジミールのクリチコ兄弟やアンドレ・ウォードなど数多くの名手を支えてきた伝説的なカットマンであり、その経験から「フルトン陣営の指摘はでたらめだね。教育が大きなカギなんだ」と厳しい意見を述べた。
さらに、彼はテーピングについて、「ナックル(指の付け根の関節)にテープが巻かれず、ガイドラインに従っている限り、全く問題などない」と語り、選手の手を巻く際の重要性について説明した。
彼によれば、怪我を防ぐためには選手の手をしっかりと固定することが重要であり、テーピングの巻き方は選手によって異なるが、その違いは問題にならないとのことだ。
井上尚弥のテーピング騒動は心理戦の一環とも見られるが、フルトンとの大一番に向けて影響はなさそうだ。
世界中のファンが注目するこの一戦は、両者の技術と勇気がぶつかり合う壮絶な戦いとなることは間違いないだろう。