損害保険大手の「損保ジャパン」がビッグモーターに派遣していた37人の出向者による不正請求問題が明るみに出る中、同社の社長である白川儀一氏が不正行為を見抜けなかったことを謝罪しました。
白川社長は取材に応じ、「会社として(不正を)見抜けなかったことは、ものすごく申し訳ない。(ビッグモーターで)そこまでのことが起きているというのは、正直、非常に遺憾であると感じている」と述べました。
ビッグモーターは幹事保険会社として損保ジャパンとの関係が深く、損保ジャパンの出向者や査定部門が不正行為を見抜けなかったことについても社長が陳謝しています。
白川社長はさらに、去年夏に出向者から「ビッグモーターの工場長から不正の指示があった」と報告を受けていたことを明らかにしました。
しかし、出向者は不正が行われた現場に立ち入れず、不正行為についての具体的な情報を得ることができなかったと主張しています。
それでもなお、真相解明のために外部の弁護士による調査委員会を設置し、自ら積極的に調査に乗り出す姿勢を示しています。
一方、この不正請求問題を受けて、損害保険各社もビッグモーターに対して損害賠償を求める方針となっています。
具体的には、不正な請求が行われていた事案の迅速な調査と開示、払い過ぎた保険金の返還、および問題に伴う調査費用などを請求するとのことです。
損害保険各社は連名で要請文を提出することも検討しているとの報道があります。
こうした動きを受けて、損害保険業界全体に対して不正行為の厳格な監査と対策が求められています。
顧客の信頼回復が最優先となり、今後の展望についても業界内で議論が繰り広げられることが予想されます。
ビッグモーター“不正請求問題”が引き起こした損害保険業界の動揺はまだ収束しておらず、始まったばかり。
損保ジャパンの白川社長の陳謝は、その一端に過ぎないのかもしれません。
真相解明と対策の進展によって、業界全体の信頼回復に向けた道筋がつけられることを願うばかりです。