自衛官の採用について、少子化の影響とハラスメント問題が逆風となり、採用活動に厳しい現状が浮き彫りとなっています。
防衛省は自衛隊の人材確保に対する重要性を認識し、抜本的な改革を進めています。
しかし、特に士の階級の採用が難航しており、過去10年間で8割から10割だった採用率が昨年度は62％に急落しています。
これにはコロナ禍での採用控えやロシアのウクライナ侵略による安全への不安も影響しているとされています。
自衛官採用に対する懸念は、将来的な募集環境がより厳しくなると予想されていることから、防衛省はＺ世代の若者に興味を持ってもらうために、勤務環境の改善を急いでいます。
Ｚ世代はネットに親しんだ世代であり、防衛省はネットを活用した採用広報や給与の増額などを検討しています。
また、海自では乗員のスマホとの連絡を改善するために、米宇宙企業スペースＸの衛星通信網「スターリンク」の導入を検討しているなど、現代の若者に合った勤務環境の整備も行われています。
さらに、自衛隊内のルールについても見直す必要性が指摘されており、国民の信頼を損なわない範囲で合理的な改革が求められています。
ハラスメントに対しては一切許容しない組織環境を築くことが強調されており、改革を進める姿勢が示されています。
自衛官の採用が逆風に直面している中で、Ｚ世代の若者に自衛隊の仕事に興味を持ってもらい、優秀な人材を採りこぼさないためには、組織改革とネットを駆使した効果的な広報活動が不可欠です。
将来の国家の安全を担うためにも、自衛官の採用に対する課題に真摯に取り組む必要があると言えるでしょう。
